Yom - Yoshida Observatory Measuring System
- プログラムの紹介
- Yomを実行するために
- 天体画像の表示
- 移動体の検出(2つの画像の比較)
- 星図の表示
- 画像と星図のマッチング
- 測定作業
- テキストファイルの編集
- 参考残差の表示
- 位置推算
- その他、全般的なこと
- 軌道要素ファイルの形式について
- パラメタファイルについて
- 参考文献等
1 プログラムの紹介
- Yomは、Windows(95以上)で動作し、アマチュア用冷却CCDカメラで撮影された天体画像から精密位置と光度を測定する目的で開発されたプログラムである。
また、次のような機能を楽しむこともできる。
- 天体画像を表示する
- フォーマットは、FITS(16ビット)、BMPに対応。
FITSは、Mutoh CV04、BITRAN
BT−10で動作が確認してある。
- 星図を表示する
- スターカタログは、GSCにのみ対応している。
- 彗星・小惑星の位置推算表を作成する
- 軌道要素を指定の形式でテキストファイルに入力しておく必要がある。
星図上に予報位置をプロットすることもできる。
2 Yomを実行するために
- 使用するファイル
- Yom.exe - プログラム本体
- Yom.doc - このファイル
- Yom.ini - 実行環境を定義するパラメタファイル
- Yom.org - Yom.ini の標準的な内容が説明と一緒に例示してある
- Nonstell.dat - M,NGC,IC,UGCのカタログ番号から赤経・赤緯を取得するために用いる
- Comet.elm - 彗星の軌道要素をテキスト形式で入力する
- Aster.elm - 小惑星の軌道要素をテキスト形式で入力する
- その他、星図を表示するためにはGSCのCD−ROMが必要である
- 必要なファイル
- 取り敢えず動かして、天体画像を表示するだけであれば1だけで充分であるが、利用する機能により、以下のファイルが必要となる。
- 星図を表示するためには、8が必要である。
- 星図を表示する際に、表示位置の入力の補助として、5、6、7が重宝する。
- 位置測定を行って公に報告するためには、3は確実に編集しておく必要がある。
- インストール
- 特別なインストールプログラムは用意していない。
使用目的に合ったファイルをHDにコピーするだけでインストールは終了する。
3 天体画像の表示
- 冷却CCDカメラで撮影した天体画像を表示する手順は以下の通りである。
- 「ファイル|開く」で、FITSまたはBMPの画像を表示する。
- 「イメージ|画像情報」で、撮影日時や露出時間などの基本情報が表示される(BMPでは画像サイズのみ)。
- 「イメージ|鏡像」以下のサブメニューで水平・垂直方向の反転および黒白反転ができる。
- これは、あくまでも参考のための表示であり、実際の測定時には無視される。
- 「イメージ|階調補正」で、階調補正のダイアログボックスが表示されるので、必要なパラメタを設定する。その際、「星像検出」がチェックされていると、プログラムで「星」と判定された像にマークがつけられる。
- 星像検出、フラット処理のアルゴリズムについては、「MISAOプロジェクト」(参考文献10
Vol.12、吉田 誠一氏)を参考にさせていただいた。
- 検出像の情報表示 ※
- 「イメージ|検出情報」により、次の要領でプログラムで検出した各星像の情報を表示することができる。
- マウスで星像をクリックする。
- 続ける場合には、見たい星像をクリックする。
- 次の作業に移るためには、「同じメニューを選択する(ここでは、「イメージ|検出情報」)」、「Escキーを押す」、「Enterキーを押す」、「強引に次の作業メニューを選択する」などとする。
- このような形態をとるメニューを「仕掛かる」と呼び、機能の右側に「※」をつけることにする。
- 検出された星像は、その形状を判断して測定可能であれば黄色、そうでなければ赤で表示される。黄色で表示された星像のみが測定の対象となるが、赤で表示された星像を、どうしても測定したい場合には以下の試みを行う。
- 「イメージ|枠変更」 - 検出像の枠を、[Shift+矢印キー」でサイズ変更、または「Ctrl+矢印キー」で移動する。
- 「イメージ|Mフィルタ」 - 枠内の領域にメディアンフィルタを施す。
- 「イメージ|枠内スケール」- 像の信号強度を枠内の領域だけでスケーリングしなおす。
- この後、測定に入るか、2枚目の画像表示を行うかに分かれる。
- 対になる画像があれば「イメージ|対象読込み」で開き、最初の画像と同じ要領で星像を検出する。
- 次の作業に移るには、「イメージ|完了」を選択する。
4 移動体の検出(2つの画像の比較)
- 前項までで2つの画像を読み込んだ場合には、両者を比較して移動体の検出を試みる。
- 「比較|画像-表」、「比較|画像-裏」で、画像を交互に表示する。
- 「比較|検出像-表」、「比較|検出像-裏」で、プログラムで検出した像の位置と、対画像の位置を確認する。
- 「比較|2画像調整」で、2つの画像の位置のずれを調整する。
- 「比較|ブリンク」で、2つの画像を交互に表示する(ブリンクコンパレータ)。
- ブリンクのスピードは、上下の矢印キーで行う。
- 「比較|2画像合成」で、2つの画像を、色を変えて、重ねて表示する。
- 以上で移動体の確認ができたら、「比較|対象選択」※で測定の対象となる像をマウスで選択する。
- 測定の対象が決まれば、いよいよ測定作業に入ることになるが、その前に星図を読み込む必要がある。
5 星図の表示
- この機能は、いつでも利用できるが、本来の目的である測定作業を行う場合は、この機能を選択する時点で、前項4までの作業が完了している必要がある。
- 描画属性の設定
- 描画する星の形や色はパラメタファイルで管理していますが、「星図|表示属性」で変更することもできます。
- 描画位置の指定
- 「星図|表示位置」で、描画する方向とスケールその他のパラメタを与えまるが、方向については赤経・赤緯を直接指定する以外に、次のように簡略指定することも可能である。
- M/NGC/IC/UGC のカタログ番号で指定する - Nonstell.dat
ファイルが必要である。
- 彗星の符号で指定する - Comet.elm ファイルに登録しておく必要がある。
- 小惑星の符号で指定する - Aster.elm ファイルに登録しておく必要がある。
- 表示位置のマニュアル調整
- 「星図|中心移動」※ では、新たに描画領域の中心に置きたい場所をマウスでクリックする。
- 表示範囲のマニュアル調整
- 「星図|拡大表示」または「星図|縮小表示」で、微調整する。
- 光度の一覧表示
- 「星図|光度一覧」で、画面上の星図に光度が一覧表示される。
- 星の情報表示 ※
- 「星図|詳細情報」で、星図上の星をクリックするとGSCに記載されている情報が表示される。
6 画像と星図のマッチング
- 測定の対象が確定し、近辺の星図が表示されたらいよいよ測定作業に入る。
- 「比較|星図合成」で星図上の星と、対応する画像上の星を2星ずつ指定する。※
- 一回の操作で重ならない場合には上記の作業を繰り返す。重なったら、次に進む。
7 測定作業
- 「測定|試行」で、位置の測定を行う。
- 「測定|測光」メニューがチェックされていれば、光度の測定も行う。
- 測定結果は、「測定|一覧表示」で、確認できる。
- 個々の星像の測定結果は、「測定|詳細表示」で、確認できる※。
- 測定の試行により、棄却したい像があれば、「測定|棄却」※
で棄却する。再度、同一像を棄却指定すると復活する。
- 公に報告する時には、「測定|報告書作成」、または「測定|報告書追加」により、測定結果がYomreprt.txt
というファイル名で、Yom.exe と同一ディレクトリに作成される。
- 「測定|測定完了」の指定により、画像情報の保存を行うかの問い合わせがある。保存を指定した場合には、画像ファイルの拡張子を「.log」に替えて画像ファイルと同一ディレクトリに保存する(同時に次回の表示に備えてFitsのヘッダー情報を書き替える)。
読み込み画像が2つの場合には、対画像の測定に移る。対画像がない場合には、一連の作業が終わりとなる。
8 テキストファイルの編集
- 報告書ファイルを編集するには、「ファイル|テキスト編集」にて、Yohreprt.txt
を編集する。
- 彗星の軌道要素ファイルを編集するには、「ファイル|テキスト編集」にて、Comet.elm
を編集する。
- 小惑星の軌道要素ファイルを編集するには、「ファイル|テキスト編集」にて、Aster.elm
を編集する。
- テキストファイルを編集または表示する場合、本プログラムでは
C++Builder のTMemoコンポーネントを使用しているために、ファイルサイズは約32KBまで、という制約がある。
9 参考残差の表示
- 測定対象が彗星または小惑星で、該当の軌道要素がファイル(Comet.elmまたはAster.elm)に登録されておれば、「参考程度」の残差を表示することができる。
- 「ファイル|参考残差」を選択するだけで作業は完了する。
10 位置推算
- 彗星または小惑星の軌道要素がファイル(Comet.elmまたはAster.elm)に登録されておれば、「その他|位置推算」で推算表を作成することができる。ファイルに保存する場合は、Yohyohoh.txt
という名前がつけられる。
パラメタの指定により画面上の星図に推算位置をプロットさせることもできる。
11 その他、全般的なこと
- すべての作業を途中でキャンセルしたい時には「ファイル|クリア」、最初からやり直したい時には「ファイル|開く」から再開となる。
- 何らかの理由により画面が乱れた場合、「ファイル|再描画」で復帰することがある。
- 作業中の画面をファイルに保存したい場合には、「ファイル|保存」を指定することにより、BMP形式で保存されます。
- 太陽座標は、参考文献3により求めている。
12 軌道要素ファイルの形式について
- 識別名は、1〜12桁に左詰で指定する。13桁目以降は、空白の区切りさえあれば、小数点以下の桁数は自由である。
- 1桁目が「;」の場合には、その行はコメントとみなす。
- 空白行は無視する。
- 彗星の場合(Comet.elm)
- ;23456789012345678901234567890123456789012345678901234567890123456789012345678901234567890
;Id T/TT q e Peri Node Incl
0097P 2001 04 14.81960 2.6105010 0.4568510
229.71250 186.38550 17.98240 5.5 15.0
PK01Q020 2001 09 01.92200 0.9456920 0.6962570
181.90110 214.10730 13.94450 11.0 10.0
- 識別名は、例にならって軌道の種別も含む。また周期彗星番号は、4桁の前ゼロ付きで指定する。
- 小惑星の場合(Aster.elm)
- ;23456789012345678901234567890123456789012345678901234567890123456789012345678901234567890
;Id Epoch(TT) M0 a e Peri Node Incl
00089 2001 10 18.0 29.73724 2.55083542 0.18133807
44.80606 311.68900 16.13793 6.60 0.15
K00Y00A 2001 10 18.0 70.77365 2.38280617
0.65263736 57.88006 85.80830 2.79518
23.65
0.15
13 パラメタファイルについて
- 内容および書式については、Yoh.orgに例示されている。各パラメタの指定誤りについては、プログラム起動時に表示する。その場合、エラーのパラメタは無効となり、システムの初期値が採用される。
- 各パラメタの指定順序も、Yoh.org に準じる必要がある。
- OBSNAME(観測所名),TELSCOPE(望遠鏡名),ADDR1(住所1),ADDR2(住所2),EMAIL(eメールアドレス)の4つを除くパラメタは、プログラム実行中に変更し、終了時に保存することで、次回の起動からも活かすことができる。
14 参考文献等
- 「天体軌道論」, 長谷川 一郎, 恒星社
- 「天文計算入門」, 長谷川 一郎, 恒星社
- 「天体の軌道計算」, 中野 主一, 誠文堂新光社
- 「マイコン天文学T」, 中野 主一, 恒星社
- 「天文計算セミナー」, 堀 源一郎 編, 恒星社
- 「天体画像」,冨田 弘一郎 編,恒星社
- 「演習 FORTRAN」, 榊原 清, オーム社
- 「Astronomical Algorithms」, Jean Meeus,
Willmann-Bell,Inc.
- 「C++Builder入門」Vol.1、郡司 芳昭 訳、プレンティスホール出版
- 季刊「インタラクティブ アストロノミー」の各号, 誠文堂新光社
- 月刊「天文ガイド」の各号, 誠文堂新光社
- 「DE118i」, Steve Moshier 氏作の数値積分ソフトウェア
- 「http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~kanamitu/fits/」、日本FITS委員会のホームページ
- 「http://www.asteroid.lowell.edu/」、ローウェル天文台のホームページ
- 「http://cfa-www.harvard.edu/cfa/ps/cbat.html」、CBATのホームページ
- 「http://cfa-www.harvard.edu/cfa/ps/mpc.html」、MPCのホームページ
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