Syok - 天体の食
はじめに
Syokは、天体の精密位置カタログを基に指定した時刻における位置を計算し表示するWindows(95以上)ソフトである。
また、2つの天体が非常に接近したために「食」現象が見られることがあるが、その情報をテキストまたはグラフィックで表示する。
※2003/2/10現在、SyokのバージョンはV1.6です。前バージョンとのレジストリ構成が変更されました。V1.02以前のレジストリ情報は削除してからお使い下さい。
※2003/8/20、Syokの改版(V1.8)にともない、レジストリ構成を変更しました。以前のレジストリ情報を削除してからお使い下さい。
- Syokが使用する天体の位置カタログ
- 動作環境の設定
- カタログごとの識別子による天体の表示
- 指定した位置の周辺に存在する天体の表示
- カタログ間の同一天体の同定
- 食の局地情報
- 食の経路情報
- 参考資料
- 補足事項
- 謝辞
1 Syokが使用する天体の位置カタログ
- GSC-ACT
- ガイドスターカタログのACTバージョン、バイナリデータとして提供されているのでディスク効率が良くなった。
- Hipparcos
- オリジナルカタログにインデックスをつけると検索効率が向上する
IdxHipを、本カタログと同じフォルダに置いて、DOS窓で実行するとインデックスを作成する。
- Tycho-2
- カタログ本体は、20個のファイルに分割され、さらにそれぞれが圧縮されている。したがって解凍後、マージする必要がある。
解凍後の20個のファイルを適当なドライブのカレントディレクトリに置いてから、Tyc2Mergとコマンド入力する。
プログラムの開始時にカタログファイルのドライブを聞いてくるので「D」などと応えると実行時のカレントドライブのカレントディレクトリに「catalog.dat」というファイル名でマージ結果が出力される。
- UCAC2
USNOの精密位置カタログ。掩蔽計算の際、Tycho-2データの精度を補うためにも使用する。即ち、Tycho-2番号で検索をかけた場合、Tycho-2カタログに記載された位置をもとにUCAC2カタログでも検索し、位置精度の高い方のデータを採用して計算を行う。
- DE405
- 惑星の精密な暦、「unx」ファイルはビッグエンディアンであるが、アクセス可能である。
以上のカタログデータ(UCAC2を除く)は、国立天文台/天文学データ解析計算センターからダウンロードできる(http://dbc.nao.ac.jp/index.html.ja)。
- Astorb
- Lowell天文台のE. Bowell 氏による、小惑星の軌道を収録したデータベース(ftp://ftp.lowell.edu/pub/elgb/astorb.html)。
- Bsc(Bright Star Catalog)
- このカタログは、PDSであるので本プログラムで処理しやすいようにバイナリ形式に加工した(ダウンロードは、ここから)。
- ワッツの月縁データ
- 接食時に対象星と月縁の位置関係をプロットするのに用いる(ダウンロードは、ここから)。
※このファイルは、DE405と同じフォルダに置く必要がある。
- 日本列島海岸線データ&県境データ
岡本義雄氏のご厚意により提供いただいたもの。
http://www.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~yossi/yossi-j.html からダウンロードできる。
日本列島の海岸線(J_MAP_H.SQF.txt)、アジア大陸東岸(J_MAP_S.SQF.txt)、県境(J_MAP_D.SQF.txt)の3つのファイルから成る。
※これらのファイルは、DE405と同じフォルダに置く必要がある。
- 一般的な海岸線や国境データの利用
Mapgenフォーマットのデータであれば、海岸線データは「Coast.dat」、国境データは「Bdy.dat」としてDE405と同じフォルダに置くことにより利用可能である。例えば、NGDCのCoastline Extractor(http://rimmer.ngdc.noaa.gov/coast)からダウンロードできる。これらのデータがあると、「表示」メニューの「海岸線データ」および「国境データ」にチェックすることにより表示可能となる。
2 動作環境の設定
「設定」ボタンをクリックすると、「パラメタ設定」画面が表示されるので、実行環境に合わせて初期値を修正する形で指定する。
「登録する」にチェックすると、設定情報をレジストリに登録する。また、「削除」ボタンをクリックするとレジストリ情報を削除する。
Syokは、表示する情報を(実行ファイルと同じフォルダに)一時ファイルとして書き込むので、書き込み可能なフォルダに置く必要がある。
※「時刻変化」パラメタについて
Syokで食現象をシミュレートする際、「移動体」で指定した天体が、「カタログと番号」で指定した天体を隠すという前提で計算を行う。計算結果は指定した時刻の「前後」パラメタで指定した前後の回数だけ、「増分」で指定した時間間隔で、計算結果を表示する。
※力学時の計算について
力学時と世界時との差「TD-UT」については、実行ファイルと一緒に添付されている「TD_UT.txt」ファイルを基にしている。「うるう秒」が挿入された場合には、このファイルの最後のラインに、その情報を入力する必要がある。
「TD_UT.txt」ファイルが実行ファイルと同じフォルダになかった場合、または、このファイルの内容が破壊されていた場合には、プログラム内部の近似式で推定する。
3 カタログごとの識別子による天体の表示
「動作指定」として「番号による検索」を指定し、「カタログ」、「日付」、「時刻」および「番号」の各項目を設定して「実行ボタン」をクリックすると、指定したカタログに対する天体の詳細な情報を表示する。
ここで表示される座標は、「赤経」、「赤緯」テキストボックスにも設定される。
実行例
この時、「図示する」がチェックされていると、「チャート表示」ウィンドウに、Bright
Star Catalogによるファインディングチャートが表示される。
実行例
4 指定した位置の周辺に存在する天体の表示
「動作指定」として「範囲による検索」を指定して「実行ボタン」をクリックすると、「赤経」、「赤緯」テキストボックスに指定されている座標(項3で設定、または、マニュアルで入力)を中心として、選択されている「カタログ」から、「範囲」で指定された範囲内にある天体の一覧を表示する。
実行例
この時、「図示する」がチェックされていると、「チャート表示」ウィンドウに、リスト表示されている天体がプロットされる。
実行例1 (J2000.0位置で指定)
実行例2 (測心位置(Topocentric)で指定)
5 カタログ間の同一天体の同定
項3により「恒星」の詳細情報を表示した後、「恒星の同定」を指定して「実行」ボタンをクリックすると、「赤経」、「赤緯」テキストボックスに設定されている座標と1分角以内に位置する天体を、GSC-ACT、Hipparcos、Tycho-2、UCAC2、Bright
Star Catalog の順に検索し、存在すればその情報を表示する。
実行例
この機能は、「出力指定」として、「J2000.0」が指定されている時のみ実行される。
6 食の局地情報
「動作指定」として「食の局所計算」を指定して「実行ボタン」をクリックすると、表示中の天体に、「パラメタ設定」画面で指定した「移動体」が、指定した時刻近辺で、「食」現象を起こすかどうかを調べ、起こすならば、その様子を表示する。
実行例
この時、「図示する」がチェックされていると、「チャート表示」ウィンドウには、「移動体」から見た「ベッセル面に映った自分の影」が表示される。
実行例
※小惑星による恒星の食を表示している時には、「小惑星食」メニューが有効となり、「小惑星食の整約」を行うことが出来る(Syokの紹介参照)。
※接食の時には、「接食」メニューが有効となり、月縁プロフィールを表示することが出来る(Syokの紹介参照)。
7 食の経路情報
「動作指定」として「食の経路計算」を指定して「実行ボタン」をクリックすると、項6と同様に「食」現象が起こるかを調べ、起こるならば、「食」の中心線および限界線を表示する。
実行例
この時、「図示する」がチェックされていると、「チャート表示」ウィンドウには、「移動体」から見た「地球」が表示される。
※ここで、上下左右の矢印キーで表示位置を移動し、「I」キーで拡大表示、また「O」キーで縮小表示する。
実行例
8 参考資料
本プログラムを開発するにあたり、以下の文献または、ホームページを参考にした。
- 「天文計算入門」、 長谷川 一郎、 恒星社
- 「天文計算セミナー」、 堀 源一郎 編、 恒星社
- 「Astronomical Algorithms」、 Jean Meeus、 Willmann-Bell,Inc.
- 「Explanatory supplement to the astronomical ephemeris and the American ephemeris and nautical almanac1977」、
Nautical Almanac Offices of the U.K. and the U.S.A
- 「天体位置表1994」、海上保安庁
- 「マイコンが解く天体の謎」、中野主一、誠文堂新光社
- 「天文年鑑2002」、誠文堂新光社
- http://www2s.biglobe.ne.jp/~kaz_h/Tech/engineer.html - 樋口和宏氏のホームページ
- http://people.ne.mediaone.net/moshier/ - Steven Moshier氏によるAstronomy
and numerical software source codes()のページ
- http://www.projectpluto.com - Project Plutoのホームページ
- http://www.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~yossi/yossi-j.html - 岡本義雄氏のホームページ
- http://rimmer.ngdc.noaa.gov/coast - 海岸線や国境データをダウンロードできる
- http://www.bdl.fr/ephemeride_eng.html - 衛星の位置データをダウンロードできる
9 補足事項
- プログラムは、C++Builder 5 (ボーランド社)で作成しました。
- バグ情報、質問、感想などは、メールでお送り下さい。
- 転載等は、予めメールにてご連絡下さい。
- 本プログラムは、フリーウェアですが著作権は放棄していません。
- 万一、本プログラムの不具合により、使用者に損害が生じても、一切の責任は負いません。
10 謝辞
Syokを開発するにあたり、次の方々には、協力やアドバイスをいただきました。
- 早水勉氏 - Bright Star Catalog を基に恒星の略符の入力、星座線データのマニュアルによる作成を、労を惜しまずに行って下さいました。
- 樋口和宏氏 - 地球儀の描き方のアドバイス、海岸線や都市データの提供をいただきました。
- 岡本義雄氏 - ご苦労の末に作り上げられた日本列島海岸線データと県境データを快くご提供下さいました。
この場を借りて、御礼申し上げます。
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