え〜フルメタルジャケットと言う映画を 皆さんご存じでしょうか? よく、法事などにいって檀家さんと話していると 「お坊さんの修行って厳しいの?ウチの息子も修行でも させて根性を鍛え直してもらおうかしら」 なんて冗談が、本人を目の前にして飛び出してきますが そんな時に修行道場の雰囲気を分かり易く説明するのに 息子さんに向かって 「フルメタルジャケットって映画、観たことあるかな?」 「あれの前半部分みたいな感じだから行ってみる?」 と聞くと、映画を観たことのある人は 「絶対いやです」とか「死んでも嫌です」 と答えてくれます。そんなにハッキリ言われるのもなんだか 悲しいモノで、一人位は「面白そうですね」ってな感じで リップサービスしてくれないかなと思うんですが… さて当の映画はと言うと、故スタンリーキューブリック監督 が1987年に手がけたベトナム戦争の映画でして 戦争という極限状態の中で少しずつ人間性を失って いく若者達の姿を描いた心理的に怖い話です 前半・後半の二部構成からなる話の作りなんですが 前半が海兵隊の新兵訓練基地での物語 後半がベトナムでの戦闘シーンになります その前半の話が非常に身につまされる話で 映画が始まると、軽快なポップスのリズムに乗りながら 横一列に並んだ新兵が バリカンで丸坊主にされていきます 皆、一様に嫌そ〜な顔をして髪の毛を刈られています 髪の毛が有るのと無いのとで、こんなにも人相が変わる と言う良い例です そして、高校出たての新兵達を殺人マシーンに 鍛え上げる為に登場するのが 鬼のような教官(小太り) 目的は違えどシチュエーションは全く同じです 映画の方でも迫力を出すために、本物を連れてきて 出演させているんですが、どの職業でも本物と言うのは 非常におっかないモンです この鬼教官がコレでもかコレでもかと新兵達をしごきます しかも、肉体的と言うよりは精神的に追いつめていく 様子は見ていて恐ろしくなってきます 教官「お前らは社会の屑だ、ちっぽけなプライドなんぞを もっている分だけタチが悪いこの糞虫共め!」と なじり倒し、一列に並んだ新兵にYESかNOかの 二択問題を問いつめていきます (その罵倒の一部はこちらで聞く事ができます) 教官「おまえは、どうしょうもない最低のクズ野郎か?」 生徒「Sir・No Sir!いいえ違います」 フルスイングのビンタ炸裂!そして 教官「もう一度聞く、お前は最低のクズ野郎だな!」 生徒「Sir.・Yes Sir!はい、その通りです」 さらにもう一発のビンタ炸裂! この辺が訓練機関の全てを物語っています ・絶対に逃げられない状況の中で ・余計な知識やプライドを粉砕してから ・新しい価値観や技術を刷り込む 特定の技術を習得する集団に於ける通過儀礼は 大体どこも同じであって、望んでその集団に入れば 「修行時代のしごき」と言われますが 望まずに、こういった集団に放りこまれると 「洗脳」と分類されます 坊主の世界も自分のように望んで入っていく者もいれば 実家を継ぐ為に仕方なく入ってくる人間もいるので 悲喜こもごもでしたが、修行道場に入る前に 実家でポテチを食いながら、この映画を観ていた自分は 四年後に、自分が映画の中でくり広げられる様を 体験する羽目になるとは思っていませんでした 修行中、山内のお堂を小走りでお参りする 修行メニューの時、頭に浮かんできたメロディーは、 「ファミコンウォーズが出ーたぞー!」の替え歌で有名な 海兵隊新兵教育の歌でした
…自分の青春時代のメロディーを上げるとすれば この歌が全てを表していると断言します |