糖尿病の治療  

注意点:糖尿病の治療は、患者さんが健康で長生きする事を目標とします。一時的に血糖が下がっても、長期的にみてその人の健康を害するような事はさけるべきです。結果は何年後かに、患者さん自身の病状の悪化としてあらわれます。

糖尿病の早期発見、早期治療が最も大切です。
また、治ったと思って治療を中断しないこと、調子が良くても1〜2月に一度は必ず医師に受診し、血液検査を受けることが重要です。
糖尿病の治療法には、1.食事療法 2.運動療法 3.薬物療法が有りますが、
食事療法が最も基本になります。

1.食事療法

健康な人が
一番長生き出来る食事をします。その人の身長に合わせた理想的な(健康で長生きできる)体重になるような食事で、かつ栄養のバランスが重要です。

糖尿病の人では、毎日同じカロリーの食事をすることが重要です。そして、1日の必要量を3回以上に配分(例えば、朝・昼・夕・間食に配分)します。

一般的には朝食:昼食:夕食=1:1:1.2程度が適当です。間食は時間を決めて、一回に80Kcal(1単位)程度を1〜2回/日とします。
間食のカロリーも1日のカロリーの中に含みます。

 
 標準体重=身長(m)×身長(m)×22
  (標準体重とは、健康で長生き出来ると思われる理想的な体重です。)
  1日の必要カロリー(Kcal)=標準体重×30Kcal
  (運動療法の分も含みます。体力を使う仕事の場合は35Kcalを掛けます。)

    例えば、身長160cmの人では
    標準体重=1.6×1.6×22=56.3kg
    1日の必要カロリー=56.3×30=1689Kcal となります。

血糖コントロールが良くて、目標体重(医師の指示)徐々に近づくような食事で、バランスが取れていればOKです。詳しくは食品交換表を見て下さい。
  
 
2.運動療法

運動療法は薬と同じと考えて下さい。
運動する時間と運動する量は、毎日一定になるようにして下さい。長続きする方法で、少しずつ根気よく続けます。

1日に1〜3回食後30分〜1時間に開始し、15〜30分の歩行が有効です。体操も組み込んで下さい。足の悪い方は、イスに腰掛けて、手足の体操をするだけでも効果があります。

食事前(空腹時)の運動はさけて下さい。合併症のある人は、合併症に合わせて運動量を減らします。(医師に相談して下さい。)

階段での運動は関節を痛めますので避けて下さい。

3.薬物療法

1)内服薬について


最近いろいろな種類の薬が出てきています。血糖を下げる薬、糖分の吸収を遅らせる薬、インスリンの働きを良くする薬などです。作用の弱い薬から強い薬まで色々あり、患者さんの糖尿病の程度により医師が処方します。

しかし、食事療法が基本であることは、忘れないで下さい。また、インスリンの代わりになる薬はまだ出来ておりません。糖尿病がひどくなればインスリン治療が必要となります。

2)インスリン治療について

糖尿病はインスリンの作用不足で起こる病気ですから、インスリンはある意味で糖尿病の特効薬であると言えます。インスリンは内服では腸で分解され効果がなくなりますので、現在のところ注射療法しかありません。

しかし、最近のペン型注射器は非常に扱いやすく、細くて短い針を使用しており、注射の際の痛みも非常に少なくなっています。

合併症が起こる前にインスリン治療を開始し血糖のコントロールを良くすると、合併症を予防出来ます。

反対に高血糖状態であるのに、インスリンを嫌がって血糖コントロールが悪いまま放置すると、合併症が急速に進んでしまいます。

インスリンは血糖コントロールを改善し、合併症の予防はできますが、進んでしまった合併症を治す薬ではありませんので、合併症が進む前に使用を開始しなければなりません。