浄土真宗 本願寺派 河久保同行の部屋

浄土真宗 本願寺派 河久保同行の部屋
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死の看取り
ここでは、「死の看取り」についてご紹介します。
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仏教用語には、少し難読な言葉の読み方もあります。そのような文字につきましては、「ふりがな」が表示されるようにしております。次の図のようにアンダラインのついた文字にカーソルを合わせますと「ふりがな」が表示されますのでご活用ください。
「ふりがな」の表示方法のイラスト

[更新日:2004年11月13日]
スーツを着た男性がご案内する格好をしたイラスト
病人が重体となり、医師から「あと何日」と言う通知を受けた時、ご家族は、意識のあるうちに会わせたい人に至急連絡しましょう。
知らせを受けた人は、何をおいても駆けつけなければなりませんから、普段お付き合いのない親戚や友人関係への連絡は不要です。
また、医師から危篤状態を告げられたら、たとえ夜中の1時や2時であっても通知し、臨終に立ち会ってもらいましょう。
また、「遺言があれば書き留める」と言った配慮も忘れてはいけません。
危篤状態 電話連絡例
○○様ですか? ○○の家内でございます
このような時間にまことに申しわけありません
主人の○○が、重篤な状態です
○○町、○○病院、○号室まで至急来てください
臨終の直後に知らせる人については、ごく身近な家族や親戚に限られますが、その他の人たちについては、通夜や葬儀の日程が決まってから、故人との生前の関係などを判断して連絡をします。
どの範囲の人に知らせるかは、家庭の事情によって違いますので、親戚や町内の信頼できる人などに相談すると良いでしょう。
他宗では「末期の水(死に水)」飲ませますが、浄土真宗では不要です。
命が終わると言うことは、「どんなに大変なことなのか」と言うことを教わる機会が少なくなっています。
ベッドの老人を介護する青年のイラスト
もっと多くの人に、特に幼い子供たちに「臨終の場面」を焼き付けてほしく思います。
子供たちは、大切な人との死別から、「悲しい気持ちを乗り越えたり」、「命の尊さ」、「生きることのすばらしさ」などを学びます。
教えられた命の尊さは、子どもたちみんなの胸の中にしっかりと刻まれます。そして、自分以外のものへの優しさが育まれます。
私たちは、遅かれ、早かれ、全員が「死」を迎えます。「死にたくないけれども、死ななければならない」という事実を背負いながら、生きていかなければならない人生なのです。
だからこそ、「愛する人との死別」、そこには大きな意味が秘められていると思います。人は「死」によって、「遺された者に最大の伝言を残す」と感じています。
誰もが、やがて迎える「死」について考えさせてくれるはずです。「雄弁に命の厳粛さ」を語ってくれます。
命の現場で働く医師から、「患者さんが臨終の際、ご家族のひとり、ひとりが、患者さんの耳元で『アリガトウ』を繰り返し、繰り返し伝えられ、安らかに命を終えられた」と聞いたことがあります。
先立つ人、看取るご家族、どちらにも大変貴重な「心の贈り物」をいただいたのではないでしょうか。
看取るご家族にも、この世を去る日が必ずやってきます。その時に慌て、無念の思いで果てないために、若い時から命のはかなさを見つめ、生きることの真の素晴らしさを追及することが肝要です。
そのために宗教があるのです。私たちの浄土真宗の教えは、『アリガトウ(南無阿弥陀仏)』に出遇うことにあります。
ご遺体は、本来お仏壇(お内仏)のある部屋に安置し、ご遺体を納棺するまでは、できるだけ「北枕」に寝かせます。
ご遺体を安置しているイラスト
この「北枕」とは、釈尊(お釈迦さま)ご入滅時の頭北面西のお姿に習って行われていますが、必ずしも方角にこだわる必要はなく、部屋の状況に応じて決めてくだざい。
時々、北の方角にこだわるあまり、お仏壇(ご本尊)に足を向けてご遺体が安置されていることがありますが、部屋の中においては、ご本尊側を西(ご本尊に向かって右側が北)と考えてご遺体を安置し、決してご本尊に足を向けることのないようにしてください。
ご遺体には、清潔な布団を掛け、門徒式章と、胸元に組んだ手に木製の念珠(数珠)掛け、顔は白さらしの面布で覆います。
また、衣服を逆にかぶせたり、屏風を逆さに立てたり、あるいは、魔除けと称する守り刀などは全く意味がなく不要です。
世間では「北枕は縁起が悪い」などと言われていますが、人が亡くなると北を枕にして寝かされ、それが死人の寝姿であり、日常これを避ける意味でそのようなことが言われています。
そもそも北枕は、お釈迦さまの入滅されたときの姿からきています。
北を枕にした、お釈迦さまの入滅時のイラスト
お釈迦さまが亡くなられたので、弟子が北へ頭を向けたのではなく、お釈迦さま自らが北を枕に床をのベさせ、お休みになったのです。
お釈迦さまは、約2500年前に、顔を西に向け、頭を北にし、80才という、当時とすれば驚異的な長寿をまっとうされました。
このお姿を「頭北面西」と言い、お釈迦さまの涅槃(一切の迷いが消えた、悟りの世界)のお姿ですから、北枕は決して私たちを縁起の悪い世界に導くものではありません。
仏教思想から言っても「お薦めのスタイル」と言えます。また、北枕は、「北半球で最も健康に良い寝方」とも言われています。
北半球では、太陽が南から差し込むことにより、部屋の中は北側より、南側の方が暖かくなり、北枕にすると足の方が暖かく「頭寒足熱」のにも叶っているのです。
他にも横向きになる場合、心臓の働きや消化にも良いとされ、地磁気の関係で血行も良くなるという新説もあります。
ですから、北枕は仏教思想的にも、健康的にも、理想の寝方ではないでしょうか。皆様にもお薦めいたします。
尊いみ教えに遇わせていただいたことを喜ぶ浄土真宗の門徒として、私たち一人ひとりが、正しい作法で、正しいお荘厳で、そして正しい受け取り方で、浄土真宗のお念仏の教えが、間違いなく伝えられていくような葬儀をすることが一番大事なことです。
浄土真宗では「枕飾り」は不要で、香炉香盒を乗せた「焼香卓」を置くのが正式です。
香盒 = 香を入れるつきの容器 )
焼香卓のイラスト
お仏壇で臨終勤行(枕勤め)のお勤めされる間に、故人を偲び、お焼香する「焼香卓」だけで、他のお荘厳(お飾り)は不要なのです。
このように、浄土真宗では、ご遺体の前や枕元に一切のお荘厳(お飾り)をしないのが原則ですが、次の「枕飾り」を置くこともあります。
枕飾りとは、ご遺体の枕元に白布を掛けた小さな机を置き、右にロウソク、中央に香炉、左に花瓶三具足を配置したものを言います。
  • ロウソクたてには、白のロウソクをともします
  • 香炉には、香を焚き、香をたやさないように心がけます
  • 花立には、か、青木の枝をたてます
枕飾りのイラスト
できるならば、この枕飾りを通して、その後方にお仏壇のご本尊を礼拝できるような形にします。
なお、お仏壇が無い場合は、そのことをお寺に知らせてください。
このとき、線香を立てたり、枕飾りに水や一膳飯、枕団子、霊供膳などを供えるのは他宗の作法で、浄土真宗では必要ありません。
また、衣服を逆さに着せたり、屏風を逆さに立てたりする風習も、全く意味のないことですし、魔除けと称する守り刀も必要ありません。
ちなみに、浄土真宗の儀式はすべて、ご本尊である「阿弥陀如来」、もしくは、「南無阿弥陀仏」のお名号を中心に営まれます。
葬儀の荘厳壇(祭壇)も、ご遺体の納まったお棺を中心にした配置に見えますが、必ずその後方にご本尊が掛けられています。
枕飾りに「を立てた一膳飯」や「団子を飾る」ことは、お釈迦さまや親鸞聖人の教えとは、かけ離れた作法です。
亡き人はお浄土に往かれたのですが、死者に対する恐怖や畏敬の念から、実にいいかげんなことが行われています。
日本人はどちらかというと自分の宗教の作法やしきたりより、迷信や習慣、周囲の言葉を重要視する傾向があり、残念に思います。
葬儀や法要に出かけられた時は、たとえ親切のつもりであっても、自分たちの習慣を押しつけたりせず、心静かに手を合わせ、亡き人を思い、お念仏していただきたいと思います。
大切なことは、「生まれる、老いる、病む、死ぬ」と言う人間が予測できないことを事実として「死」を受けとめ、残った一人ひとりが生きる意味を見い出すことにあります。
私たちは、浄土真宗の門徒として、現に風習として根深く残存している迷信や奇習を明確に否定していきたいものです。

原本作成日: 2001年9月28日; 更新日: 2004年11月13日;
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