d,【古代中国の絵画】            ★トップページに戻る★

   中国の絵画芸術は,もしも原始時代の岩画や土器上に描かれた図絵までをも含めるならば,その歴史は五千年〜数万年の遙かな昔にまで遡ることができます。しかしここでは古代中国の伝統的な絵画芸術である“国画”をその対象として話を進めていきたいと思います。“国画”は中国の伝統的な絵画の総称で,それは中国の民族文化を余すところなく映しだして,その特異な風格は世界の絵画美術領域の中においても,他とは違った独自の独立した体系を形成しています。
   “国画”の体系は,描かれている内容からは大きく“人物画”,“山水画”,“花鳥画”の三つに分類されています。またその技法としての面からこれを分類するならば,大きくは“工筆画”,“写意画”,“鈎勒画”,“設色画”,“水墨画”に分けることができます。
   この中国の“国画”の歴史を簡単に概括するならば,人物画は戦国時代から徐々に成熟してきて,漢魏晋南北朝時代には大量の人物画が描かれるようになりました。また山水画と花鳥画は,漢魏晋南北朝時代には人物画の付属的従属的な存在として描かれているにしか過ぎませんでしたが,隋唐時代以後は独立した芸術境界を具えるようになり,数多くの画家の重視するところとなってたくさんの作品が描かれるようになりました。
   中国の国画創作には,精神面形式面において以下のような極めて特筆すべき特徴があります。
(1)“外師造化,中得心源”の重象尚意精神
   絵画はただ単に事物の形態を模倣して似てさえいれば良いというものではありませ
   ん。絵画は事物に似ているのは勿論,より重要なことは絵画の中にこの絵画を媒介と
   してその“心霊”を表現されていなければならないです。古代中国の画家が追求して
   いた絵画創作の核心には,必ず“意在筆先”,“画尽意在”の感性表現が内涵してお
   り,それはまた感性の世界の中で探究した“純真精妙”の絵画技法に基礎の上に裏
   打ちされた某種の“意境”の想像でもあります。
(2)“気韻生動”の内在の生命感
   絵画に対していつも“虚実”,“動静”,“俯仰”,“遠近”などの対立的な要素の統一と
   和諧を極めて重視して,これを絵画美学上の必要不可欠の条件として要求していま
   す。また絵画技法の上での“筆墨情韻”,“墨韻翻飛”の精妙をも要求しています。
(3)特殊な筆記用具“文房四宝”による“線点”主体の表現手法
   国画はこの“線点”,“濃淡”を媒体として,事物(対象)の印影や立体感を表現するば
   かりでなく,色彩では表現することができない某種の“美感”と“情感”,“力感”を創出
   しています。そのため中国の“国画”は,技法上の“用筆”を極めて重視しています。
(4)“詩書画,三位一体”の特殊形式
   中国の伝統絵画“国画”は多くの場合,“詩”,“書”,“画”が三位一体となった世界で
   も類を見ない特殊な形式を具えています。即ち,中国の絵画では往々にして,絵画芸
   術と詩文芸術,書法芸術の三つの異なった領域の芸術形式が融合して一体となって
   います。また後世においては,絵画の落款としての印章が,即ち“篆刻芸術”をもその
   中に融合させています。

   以上,少し難しくなりましたが,これを以て古代中国の絵画の概略としたいと思います。では早速,この古代中国の絵画,即ち“国画”の“外師造化”,“気韻生動”の感動を享受してみようではありませんか。

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