牙城自薦15句
(僕の俳句が28人の歌人、26人の俳人の作品とともに、ロシア語に翻訳されるらしく、急遽『袖珍抄』から15句選んだので、それを示します。2002年立春の頃に自分で好きだった15句というにすぎません。)
拾月に蝉を鳴かせて逝きたまふ
逝く春と名付けし船に乗り合はす
南瓜撒くかつての花鳥諷詠派
鴨の尻十も揃へば妻恋ほし
大好きな桜であれば振り返る
冬空を読むべく神と契るべし
ほらだからもうばかりなり瀧の母
古きへ歩めそこに氷らんとぞ思ふ
離婚寸前の嘔吐は新雪へ
水に字を書いては五月晴の午後
くらがりの桜ぞ堕胎後の男娼
妻とても別の男を寒施行
酒飲んで神とも桜ともつかず
逃げ腰の花と見極む捕まへよ
彼岸より便り来てゐるさくらかな