Henry君の解説コーナー

 この、コーナーは、RV研究組合技術陣の解説コーナーです。 

第11回 蓄電池の賢い使い方。 

 今回は、キャンピングカーに搭載している蓄電池について正しい使い方を電装技術に関わる立場から見て一度解説したいと思います。

1)慣らし運転が必要。

 一見不思議な話ですが、鉛蓄電池の活物質の製造時に生じている不均一を是正し活物質の利用率を高める為に数回の浅い充放電をおすすめ致します。特に、実装上パラ接続を余儀なくされているキャンパーは、新品時にこの慣らしは、必須です。深放電は、必要有りません。0.1C程度の放電電流で2〜3時間放電しすぐに充電する。そして均等充電機能のある充電器ならば均等充電を行い、均等充電機能の無い充電器ならば、もう一度充電器をONにしやや過充電気味に満充電まで充電する。このときも充電電流は、0.1C以下にとどめ急速充電は、しないこと。このサイクルを3〜5回位行うと場合によっては、定格表示容量の110%程度まで容量が増量し均一化されます。中古の蓄電池は、やや深い充放電を更に少ない電流値( 0.05C程度)で行うのが効果的です。筆者の実験で、100Ah 定格のシール型がサルフェーション(閉塞)で 5Ahまで低下したものをこの方法で連続12回目の充放電後に85.3Ahまで回復させた事があります。ただ、この実験には、連続2ヶ月程かかりましたので研究設備のある方は、別にして一般的では有りませんが興味のある方は、2〜3日位の慣らしを試して見て下さい。

(自動放電試験が可能で同時に蓄電池容量を厳密に計測できる測定器を有料で貸し出ししていますのでもし容量を測定したい方は、ご一報下さい。)

2)液の沢山入っている大きく重い蓄電池がキャンパーに適している。

 これは、蓄電池の選び方に成りますが、注意しなければ成らないのは、最近国産で目にするUPS用のハイレート(大電流放電用)用と称しているもののなかに振動に非常に弱いシール型モデルがあります。元々オフィスで使用する前提で設計されていますので当たり前といえばそれまでですが、車載を前提にしているシール型蓄電池は余り見あたりません。電気自動車用と明記しているもの位でしょうか。液が沢山入っているのは、一見効率が悪そうですが、鉛蓄電池は、その動作原理上電極と電解液との反応が存在しイオンの媒体にすぎないものであるリチウム電池と大きく異なり電解液の絶対量は、非常に重要です。端的にいえば、出来るだけ沢山入っている方が寿命が長いと思って下さい。

3)放電電流は、少ない方が良い。

 1C以下。出来るならば0.3C以下に成る様に蓄電池の容量を決めて下さい。インバーターで電子レンジを使う構成ならば 100Ah以上の容量は必要で出来る事ならば 150Ah位欲しい所です。40Ah程度の容量に 1kwの電子レンジをがんがん使えば、1シーズンで蓄電池がへたるのも無理もない話です。

4)こまめに充電する。

 蓄電池は、常に満充電状態を維持して下さい。使ったら出来るだけ速やかに、充電すること。太陽電池からの充電は、効果的です。余り知られていないのですがテッツRVセンターのMBCCは、サブのみならずメインの蓄電池も充電する事が出来るためサブの充電の目的に装備したMBCCと太陽電池のおかげでエンジンスタート用のメインも長持ちさせる事ができるのです。

5)残量計を装備して下さい。

 蓄電池の大敵は、過放電及び放電後の放置です。放電しすぎない為にも現在の残量を表示する残量計は、必須のアイテムです。また、スイッチの切り忘れを、警報音で知らせ20A以下ならばリレーで遮断できる当社の残量計"SOC95A"は、蓄電池の利用機器には、無くては成らない装備です。残量を把握しながら丁寧にいたわる扱いをすればきっと予想以上の活躍をするでしょう。

6)温度に注意。

 寒い冬場に放電は、控えめに、充電は、少し大胆に。逆に暑い夏場には、放電は、元気いっぱい可能ですが、充電は、慎重に控えめに行うのが、こつです。これは、化学反応の温度依存特性がかなり温度変化に敏感な為です。低温時の放電は、閉塞しやすく高温時の充電は、熱による活物質の劣化が進行する為に注意して下さい。 

                                By Henry.


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